#03 「幸せを感じられる食習慣を作ってあげよう」

猫の好きな物、事って何でしょう?
ウチのコの好きな物、事、いくつあげられますか?

好きな物や事がいっぱいあるって、素晴らしい事だと思います。
楽しい事、美味しい物、嬉しい事がいっぱいある生活って、充実したワクワクするような人生(猫生)ですよね!
大好きな人が出来たらその人の好きなものを知りたいと思いますよね?
それと同じように、大好きなウチのコの好きなものをたくさん発見してあげて欲しいです。
そうすれば猫は今よりもっと幸せな生活ができるようになるのではないでしょうか。

猫の好きな物のひとつに食べる事があげられると思います。
食べる事は3大本能のひとつ、捕食本能と関係があります。
本能に基づく行動は誰でもしたい、したくて当然の欲求です。
本来食べる事は楽しく誰でも大好きなはずなのに、そうではないコもいますよね?
そんなコについて考えてみましょう。
あまり食べてくれないコだと、ちょっとでも食べてもらえるようにとカリカリを出しっ放しにしておく事が多いように思います。
でもそれは逆効果なのです。
食べる物、事に対する欲求を引き出すためには、「ゴハンをあげたら何分以内に食べないと下げられてしまって、もう次のゴハンまで食べられない」と言うようにルールを作って徹底します。
今まで出しっぱなしだったのをいきなり10分とかでは可哀想なので、初めは1時間、しばらくしたら30分、と言うようにゴハンが食べられる時間を短くしていきます。
回数も初めはできるだけ頻回にし、だんだん1日2〜4回くらいにします。
そうしていく事で食べる事に対する欲求を少しずつ引き出せます。

またどのフードもすぐに飽きてしまうので飽きるたびにフードを変えていると言うおウチもあるかと思います。
でもそういう事を習慣にしてしまっていると、食べが悪いのはきっと飽きたからだ、と思って食欲が低下しているような身体的な問題をすぐに発見できない可能性があります。
確かに猫は同じフードばかりだと飽きる、と私も思います。(「肉食動物は食べ物(獲物)に飽きるなどと言うことは無い」と仰っている獣医さんもいます)
ですが、まず食べる事に対するモチベーションをあげることで、問題を解決する事が出来るはずです。
食べる事そのものが楽しくなれば、あとは決められたある程度のローテーションでちゃんと食べてくれると思います。
食べることはいつでも楽しい、嬉しい時間であることが理想です。
食べることは猫にとっては楽しい時間、人間にとってはそのコの状態を把握するための大切な時間なのではないでしょうか。

もちろん「ウチのコは食べるの大好きよ!」と言う方もいらっしゃるでしょう。
とても喜ばしいことです!
でもウチのコの本当に大好きな物を知っていますか?
プレミアムフードなどの健康に配慮したしっかりした食事を与えているのだから余計なものはあげない方が良い、と思い込んでいませんか?
実は私は以前そうだったのです。
6年半前、私は初めて大切な愛猫ヤマトを失いました。
東大病院に入院することになったその時に獣医さんに言われた一言で、私は今まで何をしていたんだろう?と、とても悲しくなりました。
「ヤマトちゃんの好きなものを持ってきてあげてください」
そう言われても、毎日決められたフードしかあげていなかった私にはヤマトの好きなものが分からなかったのです。
その時の自分自身に対する情けなさ、後悔、いたたまれなさはその後のペットロスに続く事になりました。
当時オヤツをあげることは健康を保つために良くないことだと思っていました。
もちろん今でも、やたらとあげることを推奨するつもりはありません。
ですが、たまにほんのちょっとあげる機会を作って好物を見つけてあげることは、そのコのいざと言う時のためにも必要なことなのではないでしょうか。
私は猫と暮らす全ての人に、あの時の自分のような辛い経験をして欲しくありません。
大好きな物があるのは猫にとって幸せなだけでなく、それを見付けてあげる事の出来た飼い主にとっても心の支えになると思うのです。

猫にとって食べる事が楽しい事になれば、毎日2〜4回楽しい時間のある生活になると言う事です。
楽しみがあると言うのは、実際の楽しい食事の時間の他にも待ち遠しかったりワクワクしたりする時間のある、幸せな生活だと言えると思いませんか?
エネルギーを補給するためだけにダラダラと必要な分だけ食べる、と言うような食生活から食事をする事を楽しむと言う生活に変えられたら、それだけで猫の生活の質はアップすると言えるのではないでしょうか。